食事のバランスって何を目安にすればいいの?
今回はそんな疑問をひもとくために重要な三大栄養素をもとに、食事の栄養とバランスの取り方についてお話したいと思います。
三大栄養素
食べ物にはエネルギーのもととなる、たんぱく質・脂質・炭水化物が含まれています。
これらを三大栄養素と呼び、それぞれは、体の中で1gあたり、たんぱく質4kcal、脂質9kcal、炭水化物4kcalのエネルギーになります。
(エネルギー=熱量のことで、身体を動かす際の熱エネルギーとして消費されています。)
食事は、食べるエネルギー量(カロリー:kcal)だけでなく、質からみることも大切です。ダイエットをしている人や、食事のカロリーばかりを気にしている人は、食事において大切な栄養バランスを見落としがちです。
知っておきたいPFCエネルギー比率
厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で”PFCエネルギー比率”というのを表示しています。
PFCエネルギー比率とは、理想的なエネルギー生産栄養素バランスのことで、
P…タンパク質(Protein)、肉・魚・卵や大豆製品に含まれる。
F…脂質(Fat)、植物油やバター、脂身などに含まれる。
C…炭水化物(Carbohydrate)、ごはんや麺類、パンなどの主食に含まれる。
3つの三大栄養素のこと。
PFCのそれぞれの適正比率はP:12~13%、F:20~30%、C:57~68%と言われています。
要するに食事のバランスを考える上で、タンパク質を約1割、脂質を2~3割、炭水化物を6割くらいで考えると、食事のバランスが整います。注意したいのは、実は、エネルギー源は、三大栄養素以外のアルコールも該当します。アルコール1gあたり7kcalのエネルギーになります。P,F,C比率を合計しても100%にならないのは、このアルコールが分母に含まれるためです。
成人女性の一般的なカロリー摂取量は1800~2200kcalといわれています。それぞれの生活レベルや運動量によって変わるので、詳しくは(http://www.glico.co.jp/navi/e07.html)をご覧ください。
食の欧米化
日本人の食生活は今までは、ほぼこの適正比率の範囲に入っていて、世界一長寿の秘訣と考えらきましたが、現代は食の欧米化により肉食が増え、このPFCエネルギーバランスが悪くなったことで肥満や心臓病は多くなったといわれています。そしてこの食の欧米化により動脈硬化症の増加にもつながっているとも考えられているので、日本型食生活が見直されてきています。
一般的な成人女性の摂取カロリー1800kcalで計算すると内訳は、
タンパク質は216~234kcal、脂質は360~540kcal、炭水化物は約1026~1224kcal になります。
お茶碗1杯(150g)あたり、252kcal(白米には炭水化物だけでなくタンパク質と脂質も微量に含まれています。)になります。
例えば、牛丼の並盛りはおよそ250gのごはんの量なので、ごはんだけで420kcalになります。
炭水化物1026kcalのうち、420kcalごはんで1日のうちのおよそ半分の炭水化物の量を摂取してしまいます。ちなみに、牛丼並盛りの全体のカロリー650~700kcalなので1日1800kcalを目標にするとそれだけで大幅なカロリーを摂ってしまいます。
例えば、牛丼を食べる際は、サラダとお味噌汁のセットにして、豆腐を追加して、ごはんをミニ盛りなどで少なめにするなどの工夫をすれば、より簡単に栄養のバランスを整える事ができます。
カラフル食の心がけ
色とりどりのあらゆる食品を食べて栄養のバランスをとる目安としてカラフルな食事を心がけることがおすすめです。食事の内容にさまざまな色を取り入れる工夫をすれば、食卓にあらゆる食品を並べ、栄養のバランスが整い、食事を楽しむきっかけになります。
さまざまな食材を集めて調理することは、一見、大変そうですが、料理のレパートリーも増え、食材を使い回すためにメニューを考えるので脳にもいい刺激に。
料理は五感をフル活用させるのに最高です。
メニューを考え、調理し、彩りや盛り付けの工夫までを考えるといいでしょう。
食事はまず目で楽しみ、食欲をそそる香りで嗅覚を刺激し、耳では噛むときの音を、舌で味覚と食感を味わいますので、脳が活性化されます。
色とりどりな食卓を囲めば、自然と会話もはずみそうですね。
食事の基本としてPFCエネルギーバランスの、タンパク質を約1割、脂質を2~3割、炭水化物を6割くらいで考えるとことをベースに、栄養のバランスの摂れた食事を心がけましょう。