みなさんはご自分の血管年齢を知っていますか?そもそも、血管年齢ってなんでしょうか?今回は血管年齢と、私たちの身体の健康と深い関係がある血管についてお話したいと思います。
全身にくまなく張り巡らされいる血管の長さはおよそ地球の2周ほどあるそうです。そして、血液が全身に流れているわけですが、全身を1周するそのスピードはなんと1分程度だそうです。地球の2周を1分ですから、どれほどの早さなのでしょうか・・・。電車や新幹線、ロケットなんかよりも遙かに早いですね。驚きです。
若い人はあまり気にしていないかもしれませんが、年齢を重ねると共に血管の老化を気にする人が多くなっていきます。中高年になると、健康診断で、血圧やコレステロールの数を指摘され、すでに血圧を下げる薬や、血液をさらさらにする薬を飲んでいる方もいるのではないでしょうか。また、家族や同僚など身近な人が何らかの血管系の病気を経験し、その怖さを痛感したという方もいるのではないでしょうか。
病気の原因の9割は血管の老化が原因?!
血管の基本的な役割と言えば、全身に酸素や栄養を運び、二酸化炭素や不要になった老廃物を回収することです。24時間休むこと無く全身に血液を送り続け、細胞に必要なものを送り、不要な老廃物を回収する血管の働きにより、人は生命を維持しています。この血管が老化によって傷んだり、弱くなったりすれば、本来細胞に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなります。酸素や栄養不足になった細胞や臓器は徐々に機能が低下して結果的に様々な病気や不調を引き起こします。血管の老化は全身の老化を進めてしまうのです。
血管の老化とは?
血管の老化とは、端的に言えば「動脈硬化」です。動脈硬化とは、動脈(血管)が硬くなり、健康的なしなやかさが失われてしまいます。動脈硬化は加齢と共に少しずつ進行していきますが、生活習慣病などによりその老化を早めてしまいます。
そしてさらに、生活習慣病を治療せずに放置して、いくつかの症状が重なってしまうと、動脈硬化が急速に進行してしまいます。すると、しなやかさを失い硬くなった血管は、血管壁が厚くなり、血液が通りにくくなり、ある日突然、血管詰まって心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こします。そして最悪の場合、死に至ります。奇跡的に一命を取り止めたとしても、このような重篤な症状を引き起こしてしまった場合、身体に麻痺が残ったり、障害を残してしまう結果にもなりかねません。
動悸や息切れも血管の老化が進行しているサイン
心臓の血管トラブルでも、血管が詰まるのでは無く、狭くなり一時的に血流が悪くなることで起きるのが「狭心症」です。典型的な症状といえば、運動をしたときや階段を上がったときに胸が締め付けられるような痛みが起きたりします。他に、動悸や息切れ、頭痛、めまいなども感じることもあります。
運動や興奮したときに心臓は早く拍動します。そのとき心筋近くに多くの酸素を運ぶ必要があるため、冠動脈の血流が増加します。通常冠動脈にはこの血流増加の必要に応じて血管を広げて血流を増やす予備能力がありますが、年齢などにより動脈硬化が進むと、血管が硬く、広がりにくくなっているため、運動などで拍動が上がった時に心筋に十分な酸素が送れず、一時的な虚血が起きて胸が痛くなるのです。
こうした症状はそれほど長くは続かないため、症状が治まるからと言って放っておいてはいけません。胸痛や動悸、息切れがあると言うことは、すでに心臓の血管にダメージが出ている証拠です。早めに医療機関で診断を受け、血管を守る生活に切り替えていく必要があります。
このように血管トラブルによる病気は重篤な症状を招き、最悪の場合、死に至るほどの重大な病気の原因になります。重い病気になってから後悔するより日頃の生活習慣の見直しにより予防することができます。よりよい習慣を身につけ、日頃から気をつけておきたいですね。